光田健一弾き語りライブ 

at 調布ginz on 2001.11.27

〜ginzライブの初日。久々のソロライブは限定80名〜

 

<セットリスト>

−第一部−

M1:花火

M2:冬の星座

M3:みち草

M4:H*E

M5:マイボニー

M6:愛の証(新曲)

M7:愛は勝つ

M8:時に愛は

M9:冬が来る前に

M10:キャンディ

M11:誓い(新曲)

 

−第ニ部−

M12:Beginnings(新曲)

M13:ノーサイド

M14:窓(お客さんのコメントを集めた即興曲)

M15:北風小僧の寒太郎

M16:子供と大人

M17:かえる

M18:Something

M19:Let It Be

M20:願い

M21:宝物(新曲)

 

−アンコール−

EC1:若者たち

 

 

 

 

◆ はじめに

去年9月に草月ホールで行われたコンサートから、約15ヶ月。今年はライブは出来ないと言っていた健ちゃんであるが、嬉しい事にライブのお知らせが届いた。今回の弾き語りライブは、2days。その後1日開けて、フュージョンバンドのライブが同じく2days。まさに、ginzライブな1週間。まあ、このginzの空きの1日は、銀座でセッションライブといった、まさにライブ尽くし。

ginzでのライブは、弾き語りとフュージョンの2種類。今回も、前回の弾き語り同様、限定80名。往復葉書での申し込みによる抽選で、同一人物は4日間の申し込みを行う事は出来なくかつ、どちらも1日ずつの申し込みしか出来ないという代物。私自身、弾き語りの方は抽選に漏れたが、仲間に余りがあり、両方行ける事になった。平日だし、行かれなければ行けないで仕方ないかなぁとも、諦めモードもあった。ま、行けるとあれば、仕事のやりくりをして向かう。前日に行こうと思っていたライブも、今日のために、チケットを持っているのにキャンセルした(実は、淳くんもこのライブに出るはずだったが…ちなみに、それが目当てだったわけではなく(失礼!)、某バンドが目当てだった…。たまたま、対バンだった)。そんなやりくりのもと、会社を脱走するがごとくつかまらないように、定時ちょっと過ぎに退社。チケットの整理番号が遅い事もあり、開演の19:00に間に合えば良いかという感覚で、向かう。

ginzに行くのは、去年の6月以来だ…。調布駅で知り合いに遭遇し、一緒に会場に向かう。会場に入ると、お客さんは既に多数。開場時間後に到着のお客さんは、私も含めちらほらといったところか。もともと、前のほうで見る事は不可能だと思っていたので、会場後方に荷物を置ける台を見つけ、そこでくつろぐ事に。くつろぐと言っても、立ち見だけど。例のごとく、トイレの入り口脇(会場後方)に、健ちゃんがいる(控えスペースだから)。しばし、健ちゃんと会話もしつつ、開演を待つ。小山田さんに、「席空いてますよ」といわれるが、椅子に座るよりも、立ち見の方が自由に動けそうだったので、立ち見を選んだ。

開演間近になると(といっても、開演予定の19:00だけど)、「よし、3分後に行きますか!」と健ちゃん。その前に、「男子トイレ誰も入ってないかなぁ〜」と言いつつ、トイレに向かう(ちなみに、女性客が多いので、男子トイレも女性の利用可能状態)。トイレから出てきて、「よし行こう」と言い、ステージに向かった。

 

◆ 第一部

健ちゃんはステージに、19:11に登場。ginzのステージは、客席より下にある。また、ステージ背面は、鏡張りであり、鏡に映る姿を見るのも楽しい。健ちゃんは、定位置につくと、「1998」のイントロを奏でる。「やっぱりこの曲はやるんだ〜」と思っていると、笑みを見せながら、手を止める。「ようこそいらっしゃいました〜〜〜!!」と、挨拶のMCをはじめる。そこには、笑顔満載の健ちゃんがいる。スタレビ脱退直後で、正直健ちゃんは元気なんだろうか?と思ったりもしたが、その笑顔が、光田健一は、光田健一であるという証拠だなといきなり感じた。最初のMCでは、「本日は、ドリンク・フード共に、オール400円なので、どんどん飲んで食べて下さいね!」と言う健ちゃん。オーナーの銀さん(小川銀士さん)の計らいとの事。400円とは実にありがたい。客席から、「おごって!」という声が出るが、「気持ちではおごりますが、おごるほどの仲でもないので、自腹で(笑)」と、健ちゃんから回答が来る。ちなみに、フリードリンクとか、間違えて言っていたな。

挨拶MCも終わり、おもむろに演奏をはじめる。聞えてきたのは、「花火」。場内のお客さんが、健ちゃんのピアノと声に耳を傾ける。立ち見のお客さんは、健ちゃんがステージに登場したと同時に、前方の空いている隙間に移動していたが、私は、カウンターにへばりつく。もともと、前に移動する気は無く、カウンターで、お酒を飲みながら、姿の見えない健ちゃんの音楽を聴く事にした。何も姿を見る事が、全てではないし、整理番号も遅かったので、始めからカウンターで好きなだけお酒を飲みながら、くつろごうと思っていた。健ちゃんの姿は見えないが、いつものピアノと歌声が届く。声は、まだ完全に直っていないようだ(風邪をひいていたらしい)。2曲目も、続けて演奏。今の季節にぴったりな、「冬の星座」。そして、「みち草」、「H*E」も続けて演奏。ちなみに、「H*E」だけは、どうしてもタイトルがライブ中に出てこなかった…。「マイボニー」は、思わず一緒に小声で歌ってしまった。健ちゃんは演奏後、「歌詞覚えてるもんですね。他はここに歌詞あるのに」と言っていたが、私もこの曲は、歌詞を覚えていた。小さい時に覚えた歌って言うのは、覚えているものだ。カウンターにへばりついていた為、周りには知り合いしかいないし、小声で歌えた環境だった。

5曲演奏後のMC。上述の「歌詞覚えてるもんですねぇ」から、始まった。ここでは、高校時代の友人の結婚式での話と、次曲の紹介。結婚式では、弾き語りをする予定だったらしいが、声が出ないので、「声でなくてご免ね」と、新郎に伝えた所、「いいよ。だってみっちゃん元々ピアノ弾きじゃん」と、あしらわれたらしい。そこで、結婚式で健ちゃんは、ピアノ漫談を繰り広げたとか。「乙女の祈りすぎ」(「乙女の祈り」のイントロで永遠に音を下げて行く)や「犬踏んじゃった」(「猫踏んじゃった」の「ねこ」の部分を、「いぬ」の発音に合わせただけ)を軽く行ったらしいが、「あ〜そういう曲あるんだ〜」という、雰囲気でちょっと困ったとか。次曲紹介は、「仮タイトル、「野口五郎 in New York」で、聞いたことある人いるかもしれませんが…」と、始まる(健ちゃんのテレフォンメッセージで披露していた曲だから)。「野口五郎?」と思わずにはいられず、友人達と、「なんで野口五郎なの?」と言葉を交わす。スティングの「English In New York」のイメージがということで、このニューヨークが。結局、野口五郎については「?」のまま、曲が始まる。ちなみに、正式タイトルは、「愛の証」。

「愛の証」が始まった瞬間、「あ〜〜〜!野口五郎が分かった。野口五郎だよ(笑)」と、友人達と言ってしまう。タイトルが示すように、真面目な歌詞であるが、笑ってしまう。野口五郎だから。KANさんの「愛は勝つ」、オフコースの「時に愛は」が続く。「愛シリーズだな」と思っていると、「愛シリーズでした」と、健ちゃん。続いては、古い曲。1977年の曲を2曲続けての演奏。まずは、紙ふうせんの「冬が来る前に」。続いて、原田真二の「キャンディ」。「キャンディ」のイントロで、やけに「おお!!」と思った。健ちゃんは、割りと懐メロが好きな印象があるが、この辺の曲も、健ちゃんの声になじみやすい。

カバー曲中心だったコーナーが終わると、MC。聖子ちゃんの、「ボーイの季節」の歌詞が意味不明という話題で、ワンフレーズ弾いてくれる。「だってさ、全然意味通じないよね。2番でまたいきなり全否定だよ?」と、繰り広げる。「でね、さっきの野口五郎もそうなんだけどさ。あの曲出来て、どうしても浮かぶのが、『改札口で〜♪』でさ、何をどう考えても、『改札口』なの。野口五郎は、下からだから、じゃ、上からにする?とかさ、もうダメ。結局、『改札口』で、始まっちゃったんだけどね」と、説明をする。ちなみに、「ボーイの季節」の歌詞は意味不明だから、これもありかなと思ってと、説明もしていたが(笑)。

第一部のラストは、6,7年前に作ったという曲。タイトルは、「誓い」。12月のライブの練習っていう感じになっちゃうと思うんだけど…と、付加えての演奏。

拍手の中、ステージを立ち去る健ちゃんだが、階段を上ったところで、言い忘れに気付いて、ステージに戻る。「入場時に渡した、リクエストカードに記入して下さいね。この後使いますから」と、告知する。リクエストカードには、「聴きたい曲は?」と、「あなたの今の気持ちを書いてください」というもの。これが後に、使われるらしい。

第一部は、20:23終了。

 

   第二部&アンコール

20:57、健ちゃん登場。「最近曲を作っちゃったんだよコーナー」と言って始まったのが、新曲「Beginnings」。そのまま続けて、ユーミンの「ノーサイド」。

ここで、お楽しみ企画の登場。先ほどの休憩時間に、提出を促された紙を使う。「あなたの気持ちを書いてください」の項目が、テーマ。ここに書かれた皆のコメントを集めて、曲を作るといった趣向。先ほどの休憩時間中、健ちゃんは、これらの集まった用紙に目を通して、順番を決めていたよう。この企画の為に、淳君が、ステージに呼ばれる。淳君は紙めくり役。一応、この即興曲にもタイトルがつく。タイトルは、「窓」。理由は、一番上の用紙に、「窓」とあったからと(笑)。順に、紙を見ながら演奏を続ける健ちゃん。勿論、コメントの繋ぎ合わせなので、歌詞自体は、支離滅裂。そこがまた面白くもあり、同感できるコメントもあったりで、お客さんから笑いが起きる。健ちゃんは、瞬時に言葉に合った曲調を選び、進める。その曲調がまた笑いを誘う材料でもあり、大爆笑もした。カウンター付近にいた、銀さんやginzの歌姫のNORIKOさんも笑っていた。そういえば、数年前に行われた白馬のスキーツアーでも、即興をやっていたんだなと、思い出した(私は行っていないが、友人が撮ったビデオを見た)。

「な〜んだ曲なんてすぐ作れちゃうね(笑)」と、先ほどの即興曲について、コメント。ginzのオーナーの銀さんネタをちりばめつつ、こんな話題に。「マドレチにね、テンポが良い、「おお牧場はみどり」とか、「おおシャンゼリゼ」を入れようと思ったの。でもね…」と、健ちゃんは、「おお牧場はみどり」の演奏をする。ワンフレーズ披露したところで、「ここでさ、『ホイッ!』だよ。ホイってなによ。と思っちゃって。良い曲なんだけどねぇ〜。だから外したの」と選曲漏れの理由を述べる。一方、「おおシャンゼリゼ」はというと…。こちらも、1番を披露してくれる。「これってさ〜。ナンパな曲だよなって。皆そんなに軽くて良いのか?!と思って、却下」と、理由付け。ちなみに、2番なんてこんな歌詞だよと、歌詞は2番も紹介していた。確かに、言われてみるとナンパな曲だが、ちゃんと聴きたい、「おおシャンゼリゼ」。子供心に、結構好きだった曲なんだけど。

これらのMCの後は、流れるように「北風小僧の寒太郎」。イントロが、「かえる」っぽかったので、「かえる」かと思ったが、違った。「北酒場」を途中に入れたりと、遊び心が見える。「かんたろう〜♪」の合いの言葉が、自然と客先から起きていた所も、ポイント。ちなみに、健ちゃんはこの曲が好きらしい。「大人と子供」も続いて演奏。この曲では、「真っ赤な太陽」やタイトル思い出せないが、「若さゆえ〜♪」の曲が、途中組みこまれていた。「かえる」は、喉が本調子でないちょっとかすれ気味の声が、微妙に良い味を出していた。

ジョージハリソンの話題を織り交ぜ、彼の曲である、「Something」と「Let It Be」を続けて演奏。そしてそのまま、「願い」につながる。

「皆知っていると思うけど、スタレビを離れました。出会いは大切だなって、思ってます」と、健ちゃん。今回こうやって、ginzでライブをやったのは、銀さんに、「光田〜。今年は来ないのかよ〜〜」と言われ、こうしてライブができたとのこと。そして最後は、新曲の「宝物」。

「今日はどうもありがと〜」と、笑顔でステージを去る健ちゃん。そして、すぐにアンコールで戻る。「電車が無くなっちゃうから、急がないとね」と言葉を発し、「若者たち」を演奏。「ありがとね」も、組みこんだ内容。

拍手の中、健ちゃんは笑顔で、ステージを立ち去った。22:15頃終了。

 

◆ さいごに

さて、ginzといえば終演後には、写真を撮る事が出来る。あっという間に、健ちゃんの前には、写真の列が出来あがる。例に漏れずその列に加わり、写真を撮る。今回は、2ショットではなく、お仲間達と一緒に。電車の時間を気にしつつ、各自思い思いの時間を過ごしているようだった。笑顔で対応する健ちゃんは、やっぱり健ちゃん。

 

◆ ちょっと感想

スタレビ脱退直後のソロライブ。健ちゃんは元気かな?と思いつつ、足を運んだが、やっぱり健ちゃんは健ちゃんだった。楽しそうに、ステージにいる健ちゃん。今回は、表情を見ながら楽しんだわけではないが、楽しそうな雰囲気は、顔を見なくても伝わってくる。「1998」を演奏するかな?と思っていたが演奏せず。「ありがとね」も同様に登場するかと思っていたが、「若者たち」に簡単に取りいれた形での披露だった。

結局、ginzでは初めて、カウンターにへばりついて空間を楽しんだ。カウンターにへばりつくのも、非常にくつろげる。好きな時に、お酒の注文も出来るし、好きなように楽しめた。前方で見るのも、それは楽しみであるが、後ろのカウンターというのも、これまた違う楽しみが出来る。中途半端な位置にいるのなら、思いきってカウンターが良いかもしれない(椅子はないが…)。お酒を飲みながら、健ちゃんの演奏を聴くというのは、ある種贅沢。しかも、好きなようにのんびりすごせると言うおまけ付きだから、余計に贅沢かもしれない。そういえば、カウンターには、小山田さんがたまにへばりついていたな。

そして今回は、ほとんど写真も撮らずに、くつろいだginzの空間だった。